3分30秒で読めます! 先週の運営支援ブログ・短縮版(11月10日~11月16日)
あい和学童クラブ運営法人はブログで、放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)全般に関して提言や意見を行っています。2024年11月10日から11月16日に掲載したブログの内容をご紹介します。興味がそそられるテーマがございましたら、ぜひその日の弊会ブログをご高覧ください。
※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所(放課後児童健全育成事業を行っている施設)と同じです。
・来年春に子どもを児童クラブに新規入所させようとする保護者さんは、見学のときに以下の点について気にしてみてください。
(1)子どもが穏やかに過ごしているか、和気あいあいのムードでにぎやかさに包まれている。
(2)(おやつ時間や宿題の時間、特定の取り組み中の時間など、クラブの子どもが全員で関わる時間を除いて)子どもたちが、思い思いにそれぞれ過ごしているクラブ。トランプをしたり本を読んでいたり寝っ転がったり、思い思いのことができているクラブ。以下、ブログ本編では合計12点を紹介しています。(11月11日掲載)
・来年春に子どもを児童クラブに新規入所させようとする保護者さんは、見学のときに以下の点について気にしてみてください。こんなことに気付いたら、心構えをしましょう。
(1)児童クラブの側から、「私たちは、こういう方針で子ども達の支援、援助を行っています。保育を行っています。子ども達には、こういうふうに育ってほしいと考えて、それを実現するための支援、援助を行っています」と、明確に育成支援(又は保育)について、見学先の正規職員が説明できないこと。または問い合わせた先の運営本部の職員が説明できないこと。あるいは、入所関係の資料に、育成支援(又は保育)の理念と目標、それらを実現するための具体的な実践方法についての紹介がまったく記載されていないこと。
(2)見学時に見たクラブで過ごす子どもたちが、あまりにもトゲトゲしい雰囲気であること。見学時に、たまたま、子ども同士のいさかい、けんかが起きることはあるので、そのような状態があることで直ちに「不安のあるクラブ」とはならないですが、クラブ内の雰囲気が妙にどんよりとしている状態のクラブは、不安が大です。例えば、どこか飲食店や小売店でもいいですが、店内に入った時に「ん?この店、なんとなくピリピリしていないか?」とふと感じたことがあれば、まさにそのような感覚を感じたクラブが、ちょっと危険なクラブです。以下、ブログ本編では合計16点を紹介しています。(11月12日掲載)
・急速に進展した児童クラブにおける昼食提供において報道がいくつかあった中で、十数年以上も昔から児童クラブで昼食提供を行っていた先進的な地域があることがほとんど知られていません。それは愛知県津島市での事例です。津島市の児童クラブは保護者運営が発端で、その後、合同運営に舵を切ってNPO法人を設立して今に至っています。津島市の児童クラブでは、クラブ職員が昼食を調理して提供する「給食」を長らく行っているのです。
子どもが食べる場所で昼食を作っているのですから、出来立ての料理を子どもたちは食べられます。温かいものは温かいまま、冷たいものは冷たいまま、というのは宅配弁当は当然、給食センター調理でも、なかなか難しいものです。アレルギー対応も、職員は自分のクラブの子どものことですから、しっかりと把握できます。献立も、ある程度は、食材の値段を参考にできます。本当に利点が多いのです。児童クラブは第二の家庭と称されますが、クラブの職員が調理したお昼ご飯を子ども達が食べることによる、生活習慣上の効果も期待できます。作った人に対する感謝の気持ちが実感しやすいですから。(11月13日掲載)
・放課後児童クラブにある、たくさんの壁のうち、真っ先に壊さねばならない壁は何か。私は、待機児童を出す壁と考えています。小1の壁、小4の壁、ですね。放課後児童クラブにおける待機児童は、次の不利益な点をおよぼすからです。
「子どもが留守番を余儀なくされる場合、大人の関りを受けて育っていく機会を社会から与えられないことによる不利益」
「保護者が自身の職業生活を変更することを余儀なくされることによる不利益。世帯収入の減少。職業生活の変更をするのが事実上、女性(母親)である場合がほとんどであり女性の社会進出、社会活動が意に反して制限される不利益。キャリアの断絶。それによって生じる生涯獲得賃金額の低下」
「子育て中の労働者が時短勤務や非正規雇用への転職、あるいは退職することを選ぶことによる労働力の減少がもたらす社会経済活動への不利益。企業が投じた育成コストの損失。新たに確保した人材に投入する余分なコストの発生」(11月14日掲載)
・ 児童クラブが利用する求人情報、求人広告の出し方にはいろいろあります。基本はハローワークで十分です。ハローワーク利用は、事業者登録や登録情報変更に手間がかかります。しかしいずれも、事業者として基本的な情報を登録するだけです。所在地や基本的な雇用の体系などですが、それを面倒くさいと言う人に何人も会ってきました。私に言わせれば、「事業者としてごく基本的な情報を登録する手間を惜しむような輩が、事業の経営、運営に関わるべきではない。退場せよ」です。5、6年前までは新規求人も求人の更新もハローワークに行ってその場で更新することが必要でしたが、今ではオンラインで可能です。(11月15日掲載)
・ 認可保育園で子どもが給食をのどに詰まらせて亡くなりました。児童クラブは事故が多い施設です。しかし、「防げたはずの重大な負傷、負傷に基づく疾病や誤飲、窒息、アレルゲンの誤摂取」、つまり「ハザード」と分類される重大な時代は、出来る限り発生件数がゼロとなるように事業者側が意識をして防がねばなりません。そこで必要となってくるのが、事故防止に関する危機管理体制の構築と意識の徹底です。リスクマネジメントと、その先のリスクコントロールです。(11月16日掲載)
〇3月19日から始めた全国放課後児童クラブデータベースは11月10日から11月16日まで10の市区町村を紹介しました。(紹介済み960市区町村/全1741市町村)
東京都立川市
青森県田子町
鹿児島県龍郷町
兵庫県たつの市
長野県辰野町
北海道伊達市
福島県伊達市
長野県立科町
群馬県館林市
千葉県館山市
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弊会代表萩原ですが、2024年に行われた第56回社会保険労務士試験に合格しました。これから所定の研修を経て2025年秋に社会保険労務士として登録を目指します。登録の暁には、「日本で最も放課後児童クラブに詳しい社会保険労務士」として活動できるよう精進して参ります。皆様にはぜひお気軽にご依頼、ご用命ください。
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放課後児童クラブについて、萩原なりの意見をまとめた本が、2024年7月20日に寿郎社(札幌市)さんから出版されました。本のタイトルは、「知られざる〈学童保育〉の世界 問題だらけの社会インフラ」です。(わたしの目を通してみてきた)児童クラブの現実をありのままに伝え、苦労する職員、保護者、そして子どものことを伝えたく、私は本を書きました。学童に入って困らないためにどうすればいい? 小1の壁を回避する方法は?どうしたら低賃金から抜け出せる?難しい問題に私なりに答えを示している本です。それも、児童クラブがもっともっとよりよくなるために活動する「運営支援」の一つの手段です。どうかぜひ、1人でも多くの人に、本を手に取っていただきたいと願っております。注文は出版社「寿郎社」さんへ直接メールで、または書店、ネット、または萩原まで直接お寄せください。寿郎社さんへメールで注文の方は「萩原から勧められた」とメールにぜひご記載ください。
(関東の方は萩原から直接お渡しでも大丈夫です。書店購入より1冊100円、お得に購入できます!大口注文、大歓迎です。どうかご検討ください!事業運営資金に困っている非営利の児童クラブ運営事業者さんはぜひご相談ください。運営支援として、この書籍を活用したご提案ができます。)
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現在、放課後児童クラブを舞台にした小説を執筆中です。とある町の学童保育所に就職した新人支援員が次々に出会う出来事、難問と、児童クラブに関わる人たちの人間模様を、なかなか世間に知られていない放課後児童クラブの運営の実態や制度を背景に描く小説です。新人職員の成長ストーリーであり、人間ドラマであり、児童クラブの制度の問題点を訴える社会性も備えた、ボリュームたっぷりの小説になりそうです。放課後児童クラブに関わる大人たちにスポットを当てた小説は、なかなかないのではないのでしょうか。児童クラブの運営に密接にかかわった筆者だからこそ描ける「学童小説」です。出版にご興味、ご関心ある出版社さんからの連絡をお待ちしております。ドラマや映画、漫画の原作にも十分たえられる素材だと確信しています。
※あい和学童クラブ運営法人では、学童保育所に関わる方々への学童保育所基礎知識や組織運営に関する相談受付、講演、研修講習、取材対応が可能です。運営事業者に第三者の有識者理事・監事で加わることで運営を支えることが可能です。「学童保育とは、こういうところ」という市民、保護者向けの講演や、放課後児童クラブについて行政担当者・議員への勉強会講師のご依頼、大歓迎です。学童保育に関するどんなことでも、まずはお問い合わせください。
メールアドレスは、info@aiwagakudou.com になります。